何か強く言いたいことがないと曲を作り始められない、っていうのは、わたしの強みでも弱みでもあるし、
 他の音楽やってる人との間になんか、入り込めなさというか、溝というものを感じていたんだけど、その根っこはここにある気がする。

 音楽をやる理由なんて、音楽を作る理由なんて、単に「作りたいから」でも全然いいはずなのに。

 でも、きっとそのメッセージというか、曲の向こうにある観念的なものこそが、最後まで作り上げるためのモチベーションなんだろうね。

 今まで、作詞作曲編曲プロデュース全部一人でやれてたのは、っていうかそうせずにはいられなかったのは、そのモチベーションがあってこそだし。

 ただ、その、自分でも自覚してなかったポリシーが、わたしにとって、いや他の人にとっても、わたしが曲を作ることを必要以上に重いものにしていたのかもしれない。

 

 あとさ、わたしは物づくりが開花した場所が場所だから(藝大)、
「ワンパターンじゃダメだ」っていうこだわりがすごくあるんだけど、
 そこももう少し気を抜いていいのかもね。

 ワンパターンだろうがわたしはバンドサウンドが好きだし、
 今どきじゃなかろうがエモくてメロディックな旋律のラインが好きだし、
 言葉を乗せると切実さが増す歌メロが大好き。
 その「大好き」を、自分だけの鉄板にしたっていいんだよね。

 常に新しいことしようっていう心意気でやり続けてたんだけどさ。
 それはすごく、自分を成長させるために役に立ってくれたけど、
 これからは、そうやって新しいことにチャレンジするのはA面の曲だけで、カップリングはもっと力を抜いて、等身大というかリラックスしたわたしの音楽をお届けする、とかでもありかもって。

 生み出す曲全てを、狭い意味での芸術にしようとしてた。
 だから疲れすぎてしまっていたのかも。

 音楽はもう少し軽やかでもいいはずだね。

 ……自信ないから、精神性によって自信を持とうとしてたんだろうな。

 

 なんだろう、打ち込みで曲を作っていることと、
 あと、わたしの好きなテイストが別にトレンドじゃない=洗練された響きではないっていうところを気にしてたんだ。

 でも、洗練されてなかろうが、心に響く歌をわたしは作りたい。
「言祝ぎ」だもん、むしろ古典的上等よ。

 ぶっちゃけ、わたし別に才能ないなって思うよ。
 楽譜読めないし、トレンドに疎いし。
 就活、ゲーム音楽業界に飛び込もうとしてたけど2社とも落ちたし。

 でも、好きなものは好きなの。

 で、わたしは古かろうが自分の音楽性をどの時代もやってるタイプの音楽家なんだと思う。

 古いものは古くならないっていうもんね。
 わたし、子どもの頃好きだったvistlipが、10年前とそんなに変わらない(でも新しい要素も取り入れてはいて、自然に進化もしている)魅力を放ち続けてることに、いつもめちゃくちゃ安心させられているし、だからいつだって彼らのファンに帰って行ける感覚があるんだ。
 わたしもそういうタイプなんだと思う。

 だから、どんなに素晴らしい他の人の曲を聴いても、ブレないでいたいなって思います。
 なかなか難しいけど。笑

 自分の鉄板や「好き」をゆずらず、でも良いなと思った要素はじゃんじゃん取り入れていく、そんな音楽家でありたいです。

 ……今までね、みんなに「良い」とされている音楽とか、自分でもすごく良いと思う音楽とか聴いては、自分と比べて落ち込んでたんだ。
 それで、自信なくなってる時ほど音楽聴くのが苦しくなって。

 ……でも、別に落ち込まなくていいんだよね。
 良いと思ったところは、わたしの感性で盗めばいいの。
 わかってる、はずなんだけどなぁ。

 もっと自信を持たなくちゃ。

 あと、打ち込みに関しては、ちょっとずつ楽器できるようになってきてるから、
 いつか気にしなくても済む日が来るはず!
 だし、別に気にする必要ないはず。
 楽器弾けないわたしがバンドサウンド作ってますっていう証拠なだけだもん。
 愛していくこともできるはず。

 ……うん。
 全部、「こう思えたらいいなぁ」ぐらいの、希望を込めてっていうか、自分に言い聞かせるために書いたっていうか、そういういつものパターンだけど、
 気にしてることとか自信ない部分とか、自覚も自分で認めることもできてなかったからさ、
 書けてよかったです。

 そんな感じ。

 

 音楽についての自分のメンタルは、まだまだ深掘りできてない部分がありそう。
 でも、この先も音楽やっていきたいから、
 見つかり次第掘っていかないとなぁ。

 

 宵部憂