最近メロメロになっているゲームがあります、「Hollow Knight」。
 いや、もう1年以上ぐらいずっとメロメロなんだけど。
 特に最近真EDクリアして、超コアなやりこみストがやる部分まではいかなくても、だいぶやりこんで、それから普通にプレイしてるだけじゃあんまりよくわからなかった物語の詳しい考察や解説までネットで調べて読み漁ったりキャラクターの設定やファンからの評判まで調べたりしてるから、今までで一番メロメロなの。

原語は英語だけど各種翻訳版もリリースされているので日本語版をプレイしてるよ!
お値段がすごくて3000円するかしないかだったはず。
コスパって言葉はあんまり好きじゃないけど3000円するかしないかで遊べていいわけないぐらいのボリュームだよ!
激推し!!!
https://store-jp.nintendo.com/list/software/70010000003209.html

 かわいいデフォルメ頭身の主人公(でもモーションは小さな騎士って感じでかっこかわいいよ!)が、デフォルメされた虫たちの王国(ただしほとんど滅亡済み)を走り回って冒険するお話。「デフォルメされたダークソウル」って言われてる難易度の高さとお話や設定のダークさ、ゴシックな感じの世界観が魅力の2Dアクションゲーム。
 わたしはメトロイドやったことないからわからないけど、探索していくうちにできるアクションが増えていったり、決まった順路があるわけではなく(途中までは一応あったとしても)マップ内を好きな順序で探索できたり、っていうあたりかな?メトロイドヴァニアと呼ばれているジャンルみたい。

 わたしはアクションゲームがかなり苦手で、テンパりやすいし反応速度も遅いし操作や判定や間合いをミスったり自分から敵や敵弾に突っ込んで行っちゃったり真逆の方向にダッシュで突っ込んじゃったりするべきアクションを身体に叩き込むのに時間がかかったりしがちなんだけど、主人公をはじめとする愛くるしいキャラクターたち、および世界観(音楽・美術・テキスト・ストーリー・キャラクターボイスetc.)へのと努力で楽しくやり込んでいます。
 死にゲーではあると思うけど、理不尽な死やダメージの近くにちゃんとチェックポイント作ってくれてそこから続行できたり、廃人御用達のエンドコンテンツでもなければ即死要素はなかったり、相討ちになって死んでもそのボスをちゃんと倒していれば倒した扱いになっていたり、激ムズだし初見殺しだったり無茶言うなだったりするけど心折設計ではないところが、最後までやり遂げたいって気持ちにさせてくれるし、やり遂げたら達成感もひとしお。そんな絶妙な調整も好きポイント。飽き性でうまくいかないとイライラしがちなわたしが匙を投げなかったんだからこれはマジで信じていい。

 あと、わたしはなんとなくファンタジーって食指が向かないことが多くて、多分世界観がスッと入ってこないからなんだけど、あとは単に好みかな?
 でもこのゲームの、まさにゴシック!って感じの、退廃美、幽玄美、悲しみと重苦しさをたたえた美しさ、みたいな雰囲気に惹かれちゃいました。ダークファンタジーは好きなのかもしれない。耽美な感じ。確かにわたし、V系とかゴシックロックとか(そんなに詳しくはないけど)好きだしな。
 耽美じゃなくて自然!とか鉱物!とか洞窟!とかキモい!とか遺跡!って感じのマップもあって、そっちもとっても魅力的だよ! フィールド曲もどれもそれぞれのフィールドに合ってる。

 その耽美な世界を歩き回るのが、かわいいけど空ろでちょっとブキミ?な主人公っていうところがまたツボでした。
 小さくてかわいい。でもモーションはめっちゃかっこいい、多分頭身高いキャラがやったらすごくかっこいいんだろうけどちびっちゃい主人公がやるからかっこかわいくなっちゃう。
体は小さくても手練れの戦士という感じがする」「小さな体に強靭さを秘めている」って、主人公はいろいろな登場人物(特に相手の力量を推し量れるようなベテランの戦士キャラたち)にそんな風に言われるんだけど、う〜ん、たまらん。小さくてかわいくてもめっちゃ強くてかっこいい、そして空っぽ。このキャラクター性にグッとくる人はわたしと握手だ。たまらん。かっこいい。かわいい。大好き。
 Hollow Knightはいっぱいグッズも出てて、主人公のぬいぐるみやパスケースとかも出てて、ぬいぐるみかパスケースどっちか欲しい。ぬいぐるみ、絶対可愛いけど主人公のキャラ造形ちょっとブキミ系入ってるから夜中に目が合ったら怖いかな。目っていうか、目かもわからない空っぽが広がってるんですよね。主人公の目(?)。
 主人公以外にも魅力的なキャラクターがいっぱい。主人公を友と呼んでくれる数少ない同業者(?)で、明るく好奇心旺盛な紳士クィレルさん、同じく陽気に鼻歌を歌って主人公に「一緒に歌いましょう! あなたきっと綺麗な声をしてるんでしょうね!」って言ってくれる声の可愛いマイラちゃん、どこにでも冒険してマップを売ってくれる(新しく来るエリアでマップ持ってない時の不安感は異常)安定と信頼のコーニファーさん。めっちゃお金にがめつく繊細な(すぐ壊れる)チャームを売ってくれる足を喰らう者(個人的な推し)(そこはかとない儚さとがめつさ、この一見矛盾しそうな2つが矛盾なく溶け合ってる感じのキャラクター性がたまらん)。勇ましくて明るいけど実は気が小さいところもあるというギャップがかわいいクロース姐さん。もちろん声が可愛く凛々しくて芯も腕っ節も強い重要キャラクター、ホーネットさんも。他にもたくさん。知れば知るほどどのキャラクターも好きになっちゃって辛い。辛い……
 どうして辛いのかというと、ほとんど滅亡済みな王国の話というだけあって、悲しいものを背負っている人たちが多いから……ネタバレはこの記事ではしないようにするけど、つらいということだけは書きたかった。
 まあ、悲しくなくても愛おしくて辛いっていう感情もあるしな。

 あとこれはすごく細かいポイントなんだけど、主人公を含め戦う登場人物たちが振るう剣みたいな武器って、剣ではなく釘で、鍛冶師のことも刀鍛冶ではなく「釘鍛冶」って言ったり、剣士じゃなくて「釘士」って言ったり、登場人物がそう呼ぶだけじゃなくてシステム的にも「剣」や「武器」ではなく「釘」って呼ばれているところがすごく好き。
 なんだろ、渋いっていうか。「くぎ(nail)」っていう言葉の響きも好きだし、これは作中のムシたちの世界とは違うわたしたちの生きる現実の人間世界での文化だけどさ、棺に打つものだよね、釘って
 わ〜〜〜〜〜っ、ゴシック〜〜〜〜!!!! 耽美退廃美〜〜〜〜〜!!!!!って感じでうっとりしちゃう。
 そうだ……釘っていう言い方が好きだったの、棺に打つものだったからだわ。書いててやっとわかった、自分でもなんでこんなにグッときてるか分かんなかったの。

 詳しくは何言ってもネタバレになっちゃうから書かないけど、Hollow Knightをプレイしながらずっと、「終わらせる」ことについて考えてたよ。
(今から書くことは、本編をやりながら考えたことであり、本編の内容をそのまま書いてるってわけじゃないからネタバレではないと思うけど、匂わせも知らないでおきたい人はスルーしてくださいね。)

 死にきれない魂とか、人の未練、無念、ずっと続いてきてしまった因習、決着がついていないまま眠らせておくしかなかった問題を、終わらせるということについて。

 でもそれはある意味、その「眠り」ーーこういうファンタジーでは「封印」って言われることが多いと思うけど、その封印を解くことは、終わらせるためであっても、いや、そもそも終わらせようとするってこと自体が、破壊行為だ、って言う人もいるだろうし、それも正しいんだろうな、とか。

 わたし、ホロウナイトへの熱が高まる前から、国とか政治というか政(まつりごと)全般について考えて、臭い物に蓋、とか、対処しきれない問題には土を被せるしかない、とか、少数者を圧迫したりとか、そこから「封印しなきゃいけないもの」が生まれてくると思っててさ。
 つまり、問題の大きさを見誤ったり、軽視や差別をする意識から取り合わなかったり、解決方法を見つけきれなかったり、そういうことに対する人々のどうにもならなかった不満や無念が、「悪霊」みたいな、封印とか供養すべきものーーもしくは「そういう封印とか供養すべきものが生まれ出てくるに違いない、生まれ出ているに違いない、存在しているに違いない」という集合意識ーーを生み出すんだと思うんだよね。
(「霊」ってーー幽霊もそうだし、神霊もそうだし、悪霊もそうだと思うんだけど、霊って、みんなが「それがある」と信じている力によって生み出される存在、あるいは力そのものだと捉えてます)

 でーー「終わらせる」ってことは、どんなに辛くても悲しくても無念でも、ずっと続いてきたことを大きく変えてしまう、ってゆーか断ち切ってしまう、ある意味死神の鎌を振るうことだからさ、そりゃ、破壊的だよね。みんなその力と意志を恐れるに決まってる。

 だからつまり、なんだろうーー「因習」と「悪霊」と「封印」と「終わらせる」ことについて、すごく考えが深まったというか、それも単に考えたってだけじゃなくて、感情を伴う考えを通わせられるようになったっていうか。

 一口に「因習」と言ったって、それに関わってきた、その文化や繰り返しが、たとえ悪いものを土に埋めたり、よくないものを生み出したりするものであっても、きっと何かのためになるって信じて繰り返してきた人たちもいっぱいいるんだよなぁ、とか。
 でも、やっぱりそれのせいで踏みつけられてきた人たち、その人たちのどこへもいけない気持ち、その悲しさ、もあって、でもそれは「悪霊」とされて排斥されたり、恐れられたり。あるいは、ありがたがられることもあるかもしれないけど、それだって別の形の排斥だったり、異物視だったりするし、文化として崇められたとしても社会的・物質的に「一般」とされる人たちと平等なケアがされていなければ気休めでしかなかったり。
 そうやって排斥したり、恐れたり、崇めたり、なかったことにしたり、っていう「封印」に、どれぐらいの人たちが、どんな人たちが、どんな風に関わっているんだろう。
 そんな「因習」「封印」というシステムを打ち破ろうとすることへの人々の抵抗、恐れ、攻撃、っていうのは、だから、ある意味自然なことなのかもしれないけど、やっぱり「終わらせ」ないと変えることはできない……変革とは破壊であり、革命児とは死神である?
 ……みたいな。

 つまり、疑似的だけども、いろいろな不均衡によって滅びた王国やその周辺のいろいろを「終わらせる」体験ができたなって。3割ぐらい自分の経験として、感情や感覚を伴った考えや想像ができるようになるって、ゲームの醍醐味だよね。ゲームは自分が主人公を操作できるからさ、より自分のこととして考えられる側面があると思うんだ。(もちろん、演出次第だろうけど)

 このゲーム、オーストラリアのインディーレーベルのゲームなんだけど、だからオーストラリアの国の歴史から着想を得ている部分も多そうって話で、だから現実のまつりごとにも引きつけられそうな、リアルさとダークファンタジーさのバランスのちょうどいいバックストーリーに仕上がっててさ、すごいなーって思った。
(「政治」って言葉には手垢がつきまくってるし、本来政治と信仰とか霊みたいな文化だったり感覚的・超自然的な世界観って切っても切り離せないはずなのに「政治」っていうと硬い言葉でしか語っちゃいけない感じがするから、これから感覚的・超自然的・霊感的な部分から政治っぽいことにアプローチしたいときは「まつりごと」って言おうっと)

「過去と決着をつける」って、やっぱり人間の(ゲームの登場人物たちはみんなムシだけど)大きなテーマの一つだよね。いろんな物語の主題になってるけど、このゲームはその中でも「過去のしにきれなかったものと決着をつける」お話だなって思った。
 だから、「しにきれなかったもの」について色々考えさせられちゃったなーって。
 めっちゃ糧になった。

 そんなこんなでとっても奥が深いキュートでダークな激ムズ美麗2Dアクション「Hollow Knight」をよろしくな!!!!
 日本ではじわじわ人気って感じだけど、海外ではかなり有名ソフトみたいでミーム(日本語でいうと「ネタ」っていうのが一番しっくりくる。「『5つの身体のパーツが揃えば勝利』といえばエクゾディア」「バーサーカーソウルといえばオーバーキルの代名詞」みたいな)もたくさん生まれてるしネタ動画もいっぱい投稿されてる盛り上がりっぷりだぞ! pixivやYouTubeではお手軽にその片鱗が見られるのでそっちもチェックだ! あと人間離れしたスーパープレイ動画や「もしホロウナイト の主人公がスマブラに出たら」系とかも人気! スーパープレイ動画は鮮やかすぎて美しいぐらいだったぞ!

 まとまらなかったかもしれないけどいっぱい語れて楽しかったな。
 これからもちょくちょく好きなもの語りは書いていきたい。人に自分の好きや好きさの説明が伝わるかどうかは分かんないけど、それも練習よね。
「好奇心の棚」っていうブログカテゴリーを作っちゃった。これからは好きなものや興味あるもの語りはこのカテゴリーで書いていってもいいかもね。
 自分の好きな物について語ることも、十二分に自分について語ることだよね! その練習が足りてないなあ。
 好きな物語る腕(舌?)磨いていきたい。それにより自分語りもうまくなりそうだし笑