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わたしはとてもバランスの悪いパラメーターをしている。魔法攻撃力と回復力だけが高い魔術師もしくはヒーラーみたいなもんだ。

 

なんていうか要領が悪いし、物の見方も感じ方も変だし、手先とか身体と感覚の統御に関する色々が不器用で、手先を使う作業にはやたらと時間がかかる。

コツを掴めずに全チャンネル馬鹿丁寧にやってしまう割に色々とガサツで見栄えの良い出来にならない。手を動かしてる間に別のことを考えていてそっちに夢中になるからかもしれない。縫い目がランダムになる。貼り付ける場所がずれる。線をはみ出す。うん間違いなくそうだな。

実は手先を動かす作業自体は嫌いではない。得意ではないだけで。設計図通りに手を動かすと何かが出来上がってくる、というのには肉体的快楽みたいなものを感じる。でもそれも、その時の自分の集中力がその作業にピタッとはまるかに懸かっているので、自分のタイミングでなく集中力の必要な作業をしないといけない学校の実技科目は、そりゃ苦手で当然だった。

あと、ペースもわたしはゆっくりなので、早く綺麗にものを仕上げられる人が世の中にはこんなにいるのかって驚いたのを覚えている。

だから自分の生み出したものや振る舞いが、洗練されていなくて不恰好であることに、とてもコンプレックスがある。

わたしは中学受験をして中高一貫女子校に通っていたけど、そこにはわたしよりずっと生活レベルの高い子たちがたくさんいて、生活レベルじゃないところでも彼女達の振る舞いはどこをとっても野暮ったいところがないように見えて、内心すごく凹んでいた。要領がいいとかそつなくこなせるとかスマートって、いいよなぁ。

言語処理能力はあるので言ってることは立派だが、手を動かすのが下手かつ遅いせいで生み出すものは不恰好、というのは、幼少期より繰り返してきた知能テストなんかでもずっと変わらないポイントだったので、生まれ持った特質かあるいは手を動かすことにやたらトラウマ的なものがあるか、そういう感じなんだと思う。要するに根深い苦手ということだ。

それにも関わらず手を動かすこと自体は好きだから、不恰好なものでも生み出してしまうし、自分が生み出したものには愛着を持つ。だけども、それを人前に晒すことはとても怖い。他人の目から見たらダサいし野暮ったいだろうなって思うから。

ダサくても不恰好でも、胸を打つものはあるって思えてるから、それはいいんだけど。

自分が不器用であるということを、なるべく隠せるように生きてきた自覚をしたから、どうにか晒せるようになりたいのだ。

わたしは何にもできない。できるのはせいぜい、自分が何をしたいのか、何を生み出したいのかを飽きずに自己対話することぐらいだ。あと、理解力は多分ある方なので、言葉で説明されればだいたい何言ってるかはわかるから、何かを実現する方法を自分で掴みにいけることと。

逆に言えばそれ以外何もない。声楽はちょっと齧ったけどそれぐらい。

ぽんこつに言語能力が生えてるだけなのだ。

要するに口ばっかりなのだ。

……ということを隠そう隠そうとしているから、人と会うことがしんどいし、人のいるところに行くことがしんどいし、何もかもしんどいんだなあ。

自分の不恰好で変で障害な部分を隠したいし、隠せる自分じゃないと不安だから。

そんなことしなくていいのにね。