レコードってさ、集めたくなる音楽メディアなんだってね。
わたしは坂本龍一の個展「async」ぐらいでしかレコードに触ったことがないんだけど、気持ちわかる気がする。
なんか、ラグジュアリーな音がする気がするし、
ラグジュアリーに音楽が聴ける気がするんだ。
あと、紙ジャケットっていうのもめっちゃラグジュアリーだし。
音源を封じてあるメディア(記録媒体)ってさ、やっぱり神秘的で。
ご利益を秘めてあるお守りみたいじゃない?
去年授業で、昔の蝋でできた筒状のレコードの画像を見て、なんてキュートなんだろうって思ったよ。
それに比べて、最近の記録媒体はデジタル記録だから、物質性がないしありがたみがないっていう風潮あるんだけど、う〜ん、そうなのかなあ、ってわたしは思った。
わたしはやっぱりCDって印刷物だと思うし、
印刷物だったら、本みたいに、なんかやっぱり、物質としてのありがたみってあると思うんだけどな。
もちろんレコードだったらよりラグジュアリーな感じがするから、もっとお値段出しても欲しいし。
わたしは、「音を封じてあるメディアを売る」ということって、偽物の音楽を売ることでもなければ、複製済みの物を売ることでもない気がするんだよ。
かつて、レコードやCDは産業だった。
「かつて」と言ってしまうのは、今や音源は売れなくなって、プロモーションと割り切られ、ライブでメインの収入をドーンと稼ぐ、というのが、音楽業界の主流なんだって(だからコロナで大打撃を受けている。わたしも去年から痛ましい声や将来を憂う声をたくさん聞いた。そういう大学に通ってるしね)。
「産業」ということは、たくさん作って、たくさん流通させて、たくさん売ることで、買い手にも安く、つまり多くの人が音楽に触れられる時代が到来したということ。
……それでCD全盛期まではそうだったけど、インターネットやダウンロード、ストリーミングの技術が発達してからは、音源は所有するものではなく、共有するものになっていって。
だから音楽業界はライブメインに舵を切ったんだって。
でもそれは、大手の音楽出版社・レコード会社の話。
わたしみたいな個人パブリッシャーは違う考え方をしたっていいよね。
音楽を聴くことが、誰にでも気軽にできるようにどんどんなっていったのと同じように、音楽を作ることだって、今や誰もができるようになっている。
CDを作ることだって、今や誰にでもできるんだよ。
ライブは簡単じゃないけど。
かつ、音楽産業のように、マスじゃない音楽の需要もどんどん高まっている。同人音楽、アングラ音楽、ボカロ(の中でもアングラのもの)。ニッチな音楽シーン。
ニッチな分野なら、「常識」が通用しない発想をしたって良いと思うんだ。
ということで、これは実験。
わたしは大事な音源は所有したいって思うの。
絵画を所有するみたいに。
だから、絵画みたいなお値段をつけてみた。
すごくすごくすごくドキドキしていて、今もとても怖いけど、実験してみるんだ。

探しているひと。
見ていてほしいひと。
見つけてほしいひと。
そばにいてくれているような気がするひと。
そんな「誰か」--「神話的存在」の存在を感じられるアルバムです。
クロスフェード(試聴動画)準備中!
ちょっと待ってね!
よろしく!!!!