映画やドラマを観て「わかんなかった」という感想が増えた理由
https://news.yahoo.co.jp/articles/3c638da1a0cc296b21019fed1c5b1b6cbca45ca9
最近この記事↑を読んで、改めて考えてみたことを書きます。
解釈のしようがものすごくある、説明が全然無い作品がわたしは好きです。
だからって説明があったら嫌いになるってわけでは無いと思いますが、でも、「これはこういうことだよ」っていう説明がほとんど無い作品がかなりすきです。
作品の中で起きたことの何が真実で何が嘘や夢なのか、作品で起きていることは何のメタファーなのか、それに何の意味があるのか、全てを自分で決めていいような作品が。
もちろん、そこで自分だけの真実や解釈を見つけてもいいし、さらには「こんな作品何食って作ったんだ?」と思ったら、作者の背景や人物像を探ることで、もっと面白いことに出会えるかもしれません。
だから、カフカやオースターやベケットがわたしはすごく好きなのです。日本だと別役実、寺山修司、大間九郎とか。
映画で言うとヴィクトル・エリセとか。ノルシュテインとか。フィリップ・グラスにも興味あるなあ(追記:間違えました。グラスは作曲家ですね)。
ゲームだと1番に思いつくのはやっぱゆめにっきだな。
だからわたしも、自分の作品についてあまり説明したくないって言うのが、やっぱりありました。
最近はそれも、「説明してはいけない」「作品だけで語らなければ」っていう、他所から持ってきた(つまり自分の本望ではない)観念なのかなあって思ってたんですけど、そうとも言えないっぽくて。
説明することで、読者に解釈させなくしてしまうことに対する嫌悪がすごくあります。
「これはこういうことなのね(だって作者が/作品がそう言ってるし)」っていう思考停止が、わたしはすごく嫌です。
「自分にとってはこれはこういう作品」みたいに、作品に対してどう思ったかの責任を、ちゃんと鑑賞者自身に持ってもらいたいんです。
作者とか作品のせいにするんじゃなくて、自分の責任で、自分の感性と知性で、作品を味 わってほしいし、作品について意見を持ってほしい。そしてその意見は、どんなものだってわたしは嬉しいんです。
差別や人権侵害を除いて、何かを見てどのように感じるかはどこまでも自由だし、わたしはそのどこまでも自由で、だから人それぞれで絶対にかぶることのない、一人一人の解釈=その人にとっての「真実」を知りたいんです。それが感想とか考察だなってわたしは思います。
だから、正解とか不正解とかないのになって。
でも確かに、学校の国語の授業とかって、予め先生が言ってほしい答えがあって、それを言えた子が褒められる感じがありますよね。
そして求められた正解じゃないことを言うと「ずれてる」と言われる。
うーん、確かに、色々作品の背景だったり、この世界にその作品が存在することの意義みたいなのは、リテラシーを使って読み解かないと「ずれる」ことがある世界だと思います。で、国語の授業はそっちをやる練習なので、まあある程度の正解や不正解はある。
そしてそのリテラシーを使った読解をすると生まれる感想っていうのもまたある。
でも、芸術(やそれに類する表現)作品を見て思う「感想」っていうのは、あくまで「個人の」「自分自身の」体験としてはどうだったか、っていうことなので、正解も不正解もなく、むしろ自分が感じているのは何なのか? を信じて掴む、っていう方向性になるんです。
そういう、客観的にこの作品はどういうものとされるのか?という「読解(正解不正解は一応あるかも)」と、自分にとってこの作品とは何か?っていう「感想(” 自分の感じていること ” なので正解も不正解もない)」が、相互に影響し合うのが、作品の鑑賞だと思います。
だから何が言いたいかっていうと、わたしの作品に触れる人には、自分で、その作品に、自分だけの意味を見出してほしいんです、わたしは。
だから説明したくないんです、その瞬間に止まってしまう感性や思考があると思うから。
だから、ブログにあんまり作品のことは書けないな、一時期は書こうとしてたけど、やっぱり違う気がする。っていうのが今思っていることです。
あ、一応言いますがわたしの言う作品というのは歌とかオーディオドラマとか小説とか、もろもろ「作品」って伝統的に言われるような形になってるものです。いずれそうじゃないものも作品と呼びたくなるのかもしれませんが、今はそれでいいと思っています。だからブログは作品じゃないので、むしろ自分の内側にあるものの言語化でしかないですね。
そう、言語では足りないから作品にするんです。
作品は、ブログ=言語で語りきれないことを語るために作っているので、そりゃブログ=言語で説明できるわけがないのです。
そうすると、宣伝とか告知とかどうしたらいいんだろうなぁ……っていうことを、目下悩んでいます笑