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 わたしね、ほんとうは、ほんとうは、ずっと、ただみたかっただけだったんです。

 気づいちゃったら、わたし、自分がわからなくなっちゃいました。
 どうしよう。

 ずっとを叶えようと頑張ってきたんです。
 それがわたしだったのに。

 そのが本音じゃないことに気づいてしまったんです。

 一番気づきたくなかった怖ろしい真実に気づいちゃったんです。

 じゃあ、わたしって何なの?

 もうやりたいこともわからない。
 叶えたいこともわからない。
 だって満足に見られない。
 ぜんぜんそれどころじゃないよ。

 昔から、理由の分からない体調不良をすることが多くて。
 それを訴えるんだけど、自分でもどう調子が悪いのか説明できないし、原因が分からないから解決なんてできないし、ませてももらえなくて。
 どうすれば楽になれるのかもあんまり分からないし、楽になれる方法を見つけて施してもちょっぴりしか効かないし、別のことして気を紛らわせるくらいしかできないけど、それも怠けてる、遊んでる、みたいに言われたりして。
 ずっとかった。

「やりたいこと」「叶えたい」を叶えるために頑張ってきました。
 大学だって、そのために一番適していそうなところに入りました。

 音楽を作って、ものを書いて、それで生きていけたら、って思って。
 でも、ほんとうは、そういう仕事だったらよくめるのかな、なんて思ってただけみたいで。

 ほんとに、ほんとうはみたかっただけなんです。
 みたいときに、みたいだけ。

 だからわたしの叶えたかったはほんとうのじゃなくて、生き残るための手段でしかなかったんですよ。

 ほんとうは「『好きでやってる』わけじゃなかったのかもしれない」って。

 音楽も物語も、苦しみから逃れる手段だったのかなあ、とか。

 たまたま今そういう気分じゃないだけかもしれないけれど、ちっとも心が踊らないんです。
 音楽作ることにも聴くことにも。書くことにはちょっと踊るかな。でも読みたいとは思わない。

 わたし、これからどうやって生きていけばいいんだろう。

 古い価値観が砕け散れば新しい価値観が生まれるように、きっとじきに新しいわたしにも出会えるんだと思うけれど。
 ほんとうのを見られるわたしに。
 だからそれまでちょっとの辛抱なんだと思うけど。

 いやぁキツいっすわ。

 いつ出会えるのかな。
まだわたしが知らない見がちなわたし

 わたし、待ってるからね。

 今度こそ常識とか「ふつう」とかで虐めないで、絶対にわたしの味方になるし、わたしの言うこと聞くし、わたしを応援するから。
 ちゃんとわたしを見つけてね。

 出会えたら、一緒に美味しいロイヤルミルクティー飲みに行きましょう。


 を込めて

 宵部憂




 親なる羽衣