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 わたしは「独り善がり」という言葉がとても嫌いです。

 同時に、言われるとすごく傷つく言葉でもある。
 もう、耳にするだけで大ダメージ。
 あんた独り善がりだよって言われたわけじゃなくても大ダメージ。
「独り善がりは良くない」って言葉を聞くだけで超大ダメージ。

 あのさ、
 あのさ、
 それが独り善がりかどうかなんて何であんたに判断できんの????
 って思うよ。

 あんた、この世の全ての人間なんか。
 それは独り善がってるとあんたが思うところの本人以外には善くないものだと、なんであんたが判断できるんだ????

「あたしの好みじゃない」って言えばいいじゃん。
 なんでそんな、「それはあなたにしか価値のないもの」みたいな言葉を使わねばならない?

 でも、わたしはこの言葉を聞くだけですごく傷つくってことは、ずっと晒されてきた言葉だからなんです。

 でもさ、でもさ、なんで、なんでよ。
 なんで自分以外の誰かのこと考えないといけないの。
 なんで自分以外の誰かに必要とされないといけないの。
 自分だけでいいじゃん。

 そういう言葉を使う人が一番、人の評価気にして生きてるんだよな。
 独り善がりじゃない自分に誇りを持ってるんでしょ。

 うるせえな。

 人の評価気にして生きててもそこそこ生きられる奴は帰ってくれねえかな。
 それで死にかけたことある奴だけあたしにものを言ってくれねえかな。
 全然他人に絶望してないくせに、あたしに口を出さないでよね。

 人間生まれた時点でみんな独り善がりだよ。
 誰かのために生きるなら、この世に存在してない方が絶対誰かのためになるもん。
 だって自分という存在がそもそも存在してなければ、自分に与えられるはずだった何もかもを自分以外の誰かに渡せるんだから。
 自分が善がれなくてどうすんだよ。
 自分が善がれないものを人が好きになれるわけないじゃん。
 逆に言えば、徹底的に独り善がりになれば、人からも愛されるんだよ。

 中途半端。
 どいつもこいつも、本当に中途半端。

 だから独り善がりっていう言葉は、これから、「わたしはあなたに比べたら自分に集中できてないです」っていう敗北宣言として聞くことにするわ。
 わたしは、他人にもわかる価値とか、そういう価値観では生きていないからさ。
 独り善がり上等、上等どころかもっと独り善がりを極めたい。

 そんなこと言ったら、世の中のどんな巨匠も、極まった独り善がりだと思うんだよ。

 その裏にある、なかなか人には理解しきれない美学こそが、その巨匠の素晴らしさの芯なわけでさ。

 わたしはそっちになっていきたい。

 ……あるいはもしかしたら、わたしの人生の中でこの言葉が聞こえてきちゃう時って、自分に集中し切れてないときなのかも。
 だから、サインとして、とても嫌な気持ちになるこの言葉が聞こえてくるのかもしれない。

 だとしたら、偶然聞いちゃったのも縁で、わたしに何かを気づかせてくれるためだったのかも。

 だとしたら、まぁ、悪くないのかな。

 もっと自分だけに。自分だけに集中。
 独り善がりを極める。